紹介状なしの大病院受診、未だ約4割 5000円の定額負担の導入後も大きく減らず

対象範囲の拡大には慎重論も

厚生労働省は31日、紹介状がないまま大病院を受診した患者に定額負担を求める制度についての調査結果を公表した。それによると、制度を導入した後も大病院に直接来る人の割合は大きく変わっていない。外来の機能分化を促し、より効率的な仕組みの構築につなげていく ー 。そんな狙いを具現化する効果は、今のところ十分に発揮されていないようだ。

紹介状なしの大病院受診、未だ約4割 5000円の定額負担の導入後も大きく減らず

定額負担が義務付けられたのは昨年4月。紹介状を持たないで500床以上の大病院へ行くと、自己負担に加えて最低でも5000円以上(初診)を支払わないといけなくなった。救急などは対象外。

今回の調査は昨年の11月から12月にかけて実施されたもの。500床以上の234病院が対象で、191病院(81.6%)から有効な回答を得ている。結果は診療報酬などを議論する「中医協(中央社会保険医療協議会)」に提示された。

定額負担の額をみると、「5000円以上6000円未満」に設定しているところが94.2%を占めている。初診の患者のうち、紹介状を持参しなかった人の割合は39.7%。義務化の前は42.6%で、2.9ポイントしか低下していなかった。

窓口での対応で困ったケースの有無を尋ねたところ、55.5%が「あった」と回答。自由記載欄には、「患者側と医師側で緊急性の認識にズレがある」「お金さえ払えば大病院を受診できると解釈している人がいる」「支払いを拒否されることがある」といった声が寄せられていた。全体の14.1%の病院は、本人の同意が得られず徴収を断念したことがあると答えている。


対象範囲の拡大には慎重論も


対象範囲の拡大には慎重論も

定額負担の徴収を義務付ける範囲を、500床以上の病院からさらに広げるよう求める声もある。例えば財務省。先月25日にまとめた審議会の提言には、「かかりつけ医以外」にすべきとの主張を盛り込んだ。官邸が主導する経済財政諮問会議でも、民間議員から同様の意見が出ている。一方で慎重論も根強い。日本医師会の横倉義武会長は5月31日の会見で、かかりつけ医の仕組みを社会に浸透させていくという方向性には理解を示したものの、今はまだ十分に広がっていないと指摘。「無理に定額負担の対象を拡大すれば混乱を招きかねない。かかりつけ医の普及にかえって水を差す恐れもある」とくぎを刺した。

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