混合介護の弾力化、慎重論に押され大きく後退 玉虫色の表現に 規制改革答申

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政府の規制改革推進会議は23日の会合で、これまでの議論を総括した答申を安倍晋三首相に提出した。

いわゆる「混合介護」のより柔軟な提供を認める構想については、踏み込んだ提言を書き込めていない。「検討する」「課題や論点の整理を行う」といった玉虫色の表現にとどまり、望む方向性を明確に打ち出せなかった。厚生労働省や与党で噴き出した慎重論に押され、本来の主張から大きく後退した格好だ。

第18回規制改革推進会議

ただし、ルールや解釈を明確にするための通知を来年度の上期のうちに発出する、との注文は盛り込んでいる。曖昧で分かりにくい現行の制度が、事業者に意欲的な仕事を躊躇させる大きな要因になっているとして、一覧性・明確性を持たせた形で提示するよう求めた。政府は来月、答申を反映させた「規制改革実施計画」を閣議決定する予定。

「介護はなかなか難しい議論だった。ハードな交渉だった」。会合後に会見した大田弘子議長(政策研究大学院大学教授)はそう振り返った。もっとも、その狙いを完全に諦めたわけではないようだ。「なんとか我々の要望を受け止めてもらい、これから詳細を検討していく、明確にしていくというところまではいった」と説明。「今の規制をすぐに撤廃するというわけにはいかないが、今後の詰めこそが重要。しつこく粘り強く取り組んでいきたい」との意向を示した。内閣府の担当者も会合後、「これで終わりではない。フォローアップの対象としていく」と話した。今後、通知の書きぶりなどをめぐって駆け引きを続ける構えだ。

■「現場の基盤を壊してしまう」

保険が適用されるサービスとされないサービスを組み合わせること。それが混合介護だ。厚労省は現在、両者の線引きをはっきりさせなければいけないと現場を指導している。

規制改革推進会議はその緩和・撤廃を目論んだ。ヘルパーが利用者の分と家族の分の掃除・洗濯をセットで済ませたり、デイサービスの時間内にショッピングへ連れて行ったりして、「介護報酬+α」の料金を取れるようにすべきと主張。能力・人気の高いヘルパーに「指名料」を設定する案や、希望する時間の「指定料」を取る案なども出した。利用者の選択肢を増やし、事業者や介護職員が収入を得るチャンスを広げるメリットがあるという。先月に発表した意見書では、早期の実現に向けて今年中にガイドラインを作るよう訴えていた。

デメリットの方が大きい ー 。そう捉える人は少なくなかった。「保険外を使える人ばかりが優遇され、お金の無い人に支援が行き届かなくなる」「自立支援の理念がますます形骸化してしまう」。そんな反論が相次いだ。自民党の部会も紛糾した。「社会保障を壊してお金を儲けたいだけ」。ある厚労族の幹部は、出席した大田議長にそう怒りをぶつけた。一部の議員は「確かに利点もある。じっくり検証していくべき」と促したが、「競争に任せればいいなんてそんなはずない」「今の業界の基盤になっているものを壊してしまう」といった否定的な意見が大勢を占めていた。

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